令和三年 十月二日 東海地区交流会

令和三年十月二日(土)に愛知県名古屋市の名古屋観光ホテルにて東海地区交流会が開催されました。


緊急事態宣言が解除されてから初めて開催される東海地区主催の交流会は、坐忘斎御家元をお招きしてハイブリッド形式での講演会をさせていただきました。
当初予定していました150名の出席予定者は安全のため見合わせることとなりまして、担当支部役員とサポートに必要な担当支部数名、配信に必要なスタッフの27名のみの参加となりましたが、広い会場で感染症対策を十分に整えながら臨みました。

初めに、富田英之地区長のご挨拶では
「御家元にも当地にお運びいただき、このような交流会ができたことを本当に嬉しく思っております。また今回の交流会の開催にご尽力いただいた愛知第一支部天野支部長、飯田幹事長はじめ多くの方々に感謝いたします。
今では在宅勤務やリモートでの打ち合わせが普通になってきており、それ無しでは事業も回らない一方で、直接会って雑談や食事を共にする大切さも改めて痛感しています。
淡交会は茶道のプロの集団として過去の色々な伝統を引き継ぎながら、時代の変遷とともにリモートを上手く活用することで茶道のさらなる発展を期すると思っています。
この一年半で環境も変わってきているので、先生方もスマホにチャレンジしていただくことが今後さらなる発展に繋がると思います。また、御家元のお顔を初めて見る、お話を初めて聞く、若い学生さんもみえると思います。
この機会に新しい茶道の世界に触れていただくのも良いのではと思っております。」
と述べられました。

YouTubeで配信しました御家元の講演は、約7500名の会員に配信のご案内を送付し、ご自分で視聴できない会員のために支部のご協力をいただきまして108のサテライト会場を用意しました。
参加者800名を数え、配信では延べ3000人の視聴者数となりました。

お家元はご講演で、茶事を例に、茶室内の換気対策や消毒、懐石の献立の見直しなど、感染予防対策について専門家の指導を受けながら開催されるなど、コロナ禍の状況に合わせて今日庵の諸行事を見直されたことを紹介され、「無理をしない」を基本とすればリスクは避けられると話されました。
お茶の先生の中には、ちょっと無理をしてしまう方が見受けられるが、人を指導される先生方には、アクセルとブレーキのバランスを心してほしい、ブレーキが作用してこそ子どもはよく成長します、とお教えくださいました。
一方で、「コロナだからこそ今の時代にあわせて、できるようになったこと」として、小寄せ茶会の有り様を改めて考えることや各服点をお点前として勉強するチャンスとなったことを例にとり、茶の湯は柔軟だったからこそ500年続いてきたとのお話をいただきました。
最後に、ウィズコロナ、すなわち新型コロナウイルスを消滅させるのではなく、封じ込めた状況における茶の湯の主客のあり方として「心をほほえむ一会(いちえ)」をめざし、互いに余裕をもって相対することができるよう日々の稽古に努めるとよいのではないかと、お教えくださいました。

視聴された方からは
「ウィズコロナでの心の在り方を自分なりに考えて歩んでいたつもりでしたが、さらに背中を押していただけた、勇気をいただいた感じでお話を伺えて良かったです。」
とのコメントもいただきました。

第2部では御家元とサテライト会場の6か所をZOOMで繋ぎ、各支部の現状報告や、御家元へのご質問を画面でお互いの顔を拝見しながらやりとりをしました。青年部と合同で視聴された会場や、茶会や会議で使用されている会場にて御家元との繋がりをいただける素晴らしい機会となりました。

今回の交流会の主管としてご尽力いただきました愛知第一支部の天野源之支部長の謝辞では、富田地区長のリーダーシップ、そして東海地区、各支部のアクセルとブレーキの踏み分けによって今回の交流会を開催させていただけたことに感謝申し上げました。