今回参加を希望したきっかけは、9/30のプレ研修で青年部の大先輩である小林松涛園の小林健太郎氏にお会いできることを知ったからでした。かつて、自身が青年部部長時代に呈茶に使う抹茶を探していた際、ご縁あって取り寄せたのが、鵬雲斎御好の「双樹の白」だったからです。
9/30プレ行事の前半は、淡交会オンライン講演会【茶師 第15代上林春松氏】でした。室町時代より戦乱の時代を乗り越え、茶師としての歴史を繋いで来られた貴重なお話しをお聞きした後の、小林氏による利き茶体験講座でしたので、講師のお立場としては、準備されたお話しの内容が被らないか心配だったそうですが、参加者にとっては、かなり深く茶師のご苦労やこだわりをお聞きできる貴重な機会でした。
研修では、2種類の抹茶をいただき、淡々斎御好「相生の白」と、鵬雲斎御好「双樹の白」を飲み比べました。私は、「相生の白」が好みだと思いましたが、参加者全体では見事に半分に別れたのがおもしろかったです。
私たちが日頃味わう抹茶の味は、旨味、甘味、渋味、苦味などがありますが、人によって美味しいと感じる味は千差万別であり、究極のところは、その茶会(茶事)の料理や菓子の味にあったものを濃茶・薄茶の流れで考えるところなのだということを学びました。
10/1の研修会では、開会式前の茶席で、爽やかな秋風が感じられる素晴らしいひとときを過ごしました。L・T27期の仲間が席主として活躍する姿を見て、今夏の暑さで少々疲れていた自身の心に潤いとエネルギーをいただきました。
前崎真也先生による講演会は、最初から最後まで目からウロコの連続でした。ご自身の体験から「海外から見た日本文化」がどのようなものであるかをわかりやすく解説していただきました。かつて欧米人は、中国をはじめとする東洋諸国と日本の違いがよくわからず、すべて同じに見えると思われていたそうですが、そのような中、福沢諭吉が日本のアイデンティティーを見出す中で、「茶道は日本の文化である」と提唱したそうです。
また、講演会の中で一番印象に残ったのは、「美術品は、見えているものの先にある見えないものを見るものだ」ということです。これは、中国の古事や日本の歴史などの知識を深めてこそ、様々な背景やつながりを感じて美術品を深く鑑賞できるということなので、自身の研鑽を忘れてはならないと身の引き締まる思いでした。
今回の研修により、生まれて初めて姫路を訪れました。近畿第三ブロックスタッフのご厚意により、他ブロックの皆様とともに、駆け足でしたが姫路城に登ることができたことも貴重な体験でした。
三重南青年部 平野 真子