何も知らないというのは怖いもの知らずで、研修会の案内が届いたときに「面白そうだな」としか考えずに申し込んでしまった私。
研修会が近くなり届いたのはレターパックに入った佐野市の観光案内と研修会冊子、そして厚さ1.5ミリ直径12センチほどの錫の円盤と作り方の説明書。
「へえ」と冊子をめくったら参加者は各支部に一人と知ったときは脳内を冷や汗かきまくり、なんだか場違いだと心の中は涙目になりました。
そして迎えた当日。
服装は研修にふさわしいビジネスウェアとなっていて他の参加者もそれなりの服装だったので慌てて開始3分前に、10年以上着ていないブラウスをクローゼットから引き出しました。サイズが合わないのは極秘事項です。
他のブロックの研修会がどのようなものなのかも気になっていましたが、とてもしっかりされた段取りで開会式や総本部報告等粛々と進みました。
休憩をはさみ、楽しみにしていた天命釜の講演が工房からの中継で始まりました。一番最初に型に湯を流し込むところから始まり、何の型なのだろうと思いながらも型はそのまま放置され講演が始まりました。
武器づくりから始まった天明鋳物の歴史や、東照宮(日光?)の家康の墓などの昔に作られた天明鋳物作品例が紹介されました。最古の資料として残っているのは西暦939年で今から1,100年ほど前のことになります。作品として紹介された吊灯籠は一つの型で繊細な線や模様が形作られたもので、講師の若林秀真先生から見ても超絶技巧なんだそうです。
また釜の型作りも実演され、型の板がぐるっと360度回しながら型枠を作っていくところは完全手作業でとても興味深いものでした。
さて、一連の解説が終わったところで先程の湯を入れた型を割ってみると中身はお釜でした。お釜ってこうやって作るんだなと知った一瞬でした。
最後に天命鋳物検定もあり、講演をしっかり聞いてないと回答できない問題が出題されメモを取りながらも解けない問題があって、自分の能力を思い知った採点となりました。
とても工夫をして考内容を考えられていた研修会で、オンラインでも十分に楽しめた研修会でした。
コロナ禍にありながら、たくさんの準備をされた栃木県青年部の皆様には感謝申し上げます。
そして、忘れてはいけない錫の円盤でのお皿づくりです。こちらは提出期限のない宿題です。用意する道具は歯ブラシとヤスリ、布というどこにでもある手軽なものでできると書いてあります。研修会終了後に歯ブラシ、サンドペーパー、キムワイプを用意して不器用ながらに錫の円盤を曲げました。途中、目の前に座ってプラモデルを作ってる人に曲げ方その他質問して(この人、知ってるくせにテキトーな答えしか言わない)仕上げたのは、蓮の葉の形の小皿です。錫の板を曲げるのに意外と力が必要で、先に調べておいた理想の小皿の形には全くなりませんでしたが羊羹くらいなら載りそうです。
浜松青年部 石田